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珈琲とクラシックの店クライバー(kleiber)1

内容を特に限定しない雑文などを書いていきたいと思います。更新は不定期ですが、よろしくお願いします。

第1回目

 2007年11月上旬、仙台に仕事で出張がありましたので、仕事の帰りに仙台に新しく開店したクラシック喫茶Kleiber(クライバー)へ行ってみることにしました。クラシック喫茶、昔は音楽喫茶とか名曲喫茶と言ったのでしょうか、昔はお茶やコーヒーを飲みながらクラシックの名曲を楽しむ喫茶店がたくさんあったそうですが、今では数える程しかありません。そんな中新しくクラシック喫茶が開店したのです。嬉しいと言うほかありません。



 店内へ入るとDALIのHeliconとSonus FaberのCremonaの2組のスピーカーが置いてあります。音量は大音量でも小音量でもない、会話には支障の無い程度の音量です。個人的にはもう少し大音量で聴きたいと思いました。店内はシンプルでブラウンと白を基調とした内装に、上品な絵が立てかけてあります。



 私が行ったときにはSonus FaberのCremonaが鳴っていました。美しい音色です。厳格ではなく、かといってゆるい音でもないスピーカーだと思いました。見た目も思っていた以上にスリムで美しい外観です。多くのジャズ喫茶で偉容を誇るスピーカーとは大違いです。この喫茶店が仙台の音楽文化になくてはならないお店になっていくことを願います。



 シューマンの曲が流れていましたが、高域にトゲトゲしさがなく、それでいて低域も自然。家庭のリビングとかでもクラシックを楽しむのには何の不足も無いだろうと思いました。バスレフ特有の共鳴音も上手く抑えられているようです。コーヒーも渋みがあっておいしく、私の好みの味です。

 アンプやCDプレーヤーもアキュフェーズとデノンと、ごく普通の組み合わせです。この組み合わせで、何かこういう音を聴いてしまうと、ケーブルだインシュレーターだと細かく細かく、そしてオーディオを追求していく自分が多少馬鹿らしく感じます。

 しかし馬鹿になって試行錯誤の上に到達できる境地というのもあるはずです。このクレモナのように美しい外観を持ちつつ、クラシックの静寂と、作曲者、演奏者の情念を、そして熱いジャズのうねるような混沌としていく音も鳴らすことのできるスピーカーを作りたいと思いました。

クラシック喫茶クライバーのブログ

(2007年11月30日)

第2回目

 2007年12月下旬、仙台のクラシック喫茶クライバーへ行きました。一年の仕事が終わり、つかの間の開放感を仙台で味わいます。今年を振り返ってみると、自分のオーディオを詰めることが出来なかったと感じています。今は目標とする音を探している状態なのでしょうか。

 オーディオとは関係ありませんが、仕事とはかくも厳しく辛く、哀しく、自分を捨てることなのかと、クライバーの美しいクラシックの音色を聴きながら思い返しましたが、自分だけでなく、世の中の大部分がおかしな方向へ向かっているように思えてなりません。

 そして世に生きる一人の労働者として、つかの間の安らぎを、クライバーで流れるクラシックで得ようとしています。来年は良いことがありますようにと願いました。今日のクレモナから流れているクラシックはどこか悲しげです。外は寒く、コーヒーが暖めてくれます。

 なんの澱みも汚れも無い美しい響きの音が一年を癒してくれました。





 クライバーを出ると、仙台では毎年恒例になった、光のページェントが始まっており、定禅寺通りの並木が全て光り輝いていました。人工的ですが美しい光景です。



(2007年01月01日)

第3回目

 みちのくギター合奏フェスティバルが終えてから、せっかくなので、定禅寺通りにある、クラシックと珈琲のお店、クライバーへ寄ることにしました。地下鉄の勾当台公園駅から歩いて5分程度のところにあります。

クラシック音楽 珈琲 クライバー kleiber
(CONTAX T3)

 店内に入ると、声楽がかかっていました。バスからソプラノまで美しいアカペラの和声の響きが、空間を感じさせ、得も言われぬ音色です。なんと透明で美しい響きなのでしょうか。真四角の店内で、ポンと置いてあるだけの風に見えるこのオーディオから、これだけの音が出ているのです。多分、そう見えるだけで、実際は試行錯誤を重ねてこのこれだけの音が出ているのでしょう。

 カフェインは摂るのを止めたのですが、さすがにおいしい珈琲のお店ということでソフトドリンクはありません。クッキーなどをモサモサ食べていても、悲しいものがあります。なので、ここは珈琲を頂くことにしました。香りといい味といい、久しぶりに味わうそれは格別においしかったのです。

 店内に居た、他のお客さんがいなくなり、店内には私1人だけになりました。そこでちょうどCDも終わり、店主が「何かリクエストはありますか?」とおっしゃるので、ベートーベンのピアノソナタをお願いしました。ピアノの音色も美しいです。ややタッチが丸くなっているような気もしますが、美しい音色と美しい音楽なのです。ソナスファーベル(Sonas Faber)のクレモナ(Cremona)のスピーカーも美しい。

 私は、モーツァルトや他の作曲家も大好きなのですが、特にベートーベンは大好きなのです。モーツァルトはあまりにも、私には自然に感じられて、逆に退屈してしまったりすることもあるのですが、ベートーベンはそういうことがありません。情念とかそういった何かを感じさせてくれます。激情と言ってもよいかも知れません。しかし、お客さんが他に居たら、こういう曲はかけ辛いとも思いました。

 喫茶店でくつろいで、何かを想ったり、本を読んだり、心を落ち着かせるということとは対照的な音楽で、音楽と対峙せざるを得ない音楽だと思うからです。充実した2時間をクライバーで過ごして、店を出ました。。辺りは少し薄暗くなっていました。

kleiber(クライバー)

(2008年06月06日)

第4回目

仙台メディアテーク
(CONTAX T3)

 仙台で用事があったので午前中に片付け、仙台メディアテークで好きな雑誌や本を読んでから、午後にクラシック音楽と珈琲の店クライバー(kleiber)へ行きました。仙台メディアテークから通りをはさんですぐのところにお店はあります。久しぶりです。天気は曇天で、定禅寺通りの並木の緑も濃い色でした。久しぶりにお店に入りましたが、お客は自分も含め4人でした。

珈琲とクラシックの店クライバー
(CONTAX T3)

 この喫茶店では、クラシックを聴きながら、自分の考え事を整理できるので、気に入っています。普段は禁煙、禁酒、禁カフェインを貫いている私ですが、このお店に珈琲以外の飲み物はありませんし、せっかくの美味しい珈琲なので、ここに限っては禁カフェインを破って、珈琲を美味しく頂くことにしています。珈琲と一緒にチョコレートパンケーキとクッキーも注文してみました。

 ごく希にしか飲まなくなった珈琲と、クッキーなどを美味しく味わいながら、クラシックに耳を傾けます。そしていつも持ち歩いているツバメのノートにトンボのボールペンで、思った事、考えついた事を書いていきます。本当にくつろいだ空間で、振り返ることが多いです。

 ソナスファーベル(Sonus Faber)のクレモナ(Cremona)から流れてくる音楽に耳をすますと、いつもの事ながらため息がでます。私が愛用しているスピーカーのビクター(VICTOR)SX-500DEが軽い音とすれば、このスピーカーから流れてくる音楽は極めて濃厚で滑らかだと思いました。壁に立てかけてある絵も、毎回来る毎に少しずつ変わっていて面白いです。音楽に絵、文学、いろいろとありますが、これらは自分の想像をとてもかき立ててくれる要素だと思っています。

 私にとって、音楽を聴き、絵を見て本を読むということは、とても大切な時間です。しかし時間は有限なのです。その有限の時間もあとどれくらい残されているのか自分には全く分からないのです。結構長い有限の時間かも知れませんし、短い時間かも知れません。それは誰にも、その時になってみないと分からない事です。

珈琲とクラシックの店クライバー
(CONTAX T3)

 そして、労働者として働いている自分に与えられた自由な時間というのは、あまりに少ないことに気づかされます。ですから、私は部屋にテレビを置いていません。テレビも所有していません。それにこれからもテレビを所有するつもりもありません。テレビから得られる価値と、テレビを見ることによって失われる自分の時間を天秤にかけ、テレビは私にとって見る価値の少ないものと判断しています。

 テレビ番組のほとんどが価値の無いものだとの判断しています。テレビのある実家へ帰省した際に、テレビ番組を見ると、あまりの程度の低い番組だらけで呆れてしまいます。そしてその程度の低い番組すら、つい見てしまっている自分にも呆れるわけです。だからテレビはいらないと思っています。もちろん感動させてくれる番組は極わずかにありますが、テレビを家庭から無くしたら、多少なりとも世の中が良くなるのではないか、とさえ思っています。

 宮城県民会館の隣りの建物の地下一階にクライバーはあります。仙台にお住まいの方、そして仙台へいろいろな用事で来られる方々は、クライバーで珈琲とクラシックの音楽を楽しまれることをお勧めします。スターバックスなどのインスタントチェーン店などでは味わえない珈琲と時間を味わえるはずです。

定禅寺通り
(CONTAX T3)

 さて、あれの仕上げはどうしよう、とか。いろいろな人との出会い、別れ。親しみを感じたり、怒り、憎しみを抱いたり。仕事に忙殺される状況があり、そして自分の信条があり、組織の理論としがらみがあり、何を大切にしていこうか、仕事以外で自分には何があるのか。クラシックを聴きながら考えることが多いです。

クラシック音楽と珈琲の店クライバー(kleiber)

(2008年09月21日)

第5回目

クラシック音楽と珈琲の店 クライバー Kleiber
(CONTAX T3)

 2008年10月上旬、久しぶりに仙台への出張があったので、仕事が終わってから、クライバーへ寄りました。定禅寺通の並木を、すっかり秋らしくすがすがしい風と太陽の陽が、これから紅葉していく樹の葉を照らしていました。深い緑の色と、陰になっている幹の黒い茶色が、強いコントラストを描いていました。

 クライバーがある地下への階段を降りて、扉を開けると、暖かい温もりが感じられました。ソナスファーベル(Sonus Faber)のクレモナ(Cremona)の音色は相変わらず、コクのある音を奏でていました。いつも自分で愛用しているVICTORのスピーカー、SX-500DEの音色が、とても軽く感じられました。かといって、クレモナが重い音というわけではありません。見た目も奏でられる音も、とても素晴らしいスピーカーです。

 パブロ・カザルス/鳥の歌 ホワイトハウスコンサートのCDで聴いたことのある曲がかかります。このCDはそれよりも新しいものの、音質からは最新のアルバムではないように聴き取れました。それでも、中域の密度感と、音楽を聴いていて感動するのに不足な要素は何もありませんでした。

 私個人の事を書かせてもらえば、今気力は、とても充実しています。自分やっているボランティア活動やら、趣味にも力を注ぐことができています。ところが、仕事にはそれを傾けられないでいます。仕事とは単に生きるための糧を得るためのもの。とだけ、私自身が割り切ることができないのは、なかなか辛いところです。

 美しい音楽を聴いて、仕事も人生も美しいものだけ見て過ごしていきたいのは山々ですが、大概そう簡単にいかないのが人生の道理だと思います。

 不完全な光が当たれば陰影ができ、その陰影で物事を見ることができるのであって、完全な闇の中でも、逆に完全な光の中でも、人はものを見ることができません。あらゆる大部分の人がそうであって、音楽を創る人、音楽を奏でる人も多分そうであるように、その陰影の中にも美しさがあると信じたいです。

 このクライバーへ来て音楽を聴いていると、いつも冷静になって、自分を見つめることができます。周りを見渡すと、このお店へくるお客も実に多彩で、学生とおぼしき人、英語の本を読みふけっている人、そして、音楽よりも音を聴いているのではないかという私。

 私はキリスト教徒ではありませんが、クラシックは思慮深くしてくれる音楽だと感じています。

(2008年11月11日)

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