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5.モガミ(Mogami)2534を使ったバランスケーブルの制作


 今まで接続機器が増えても、あり合わせのケーブル(機器付属の赤黒ケーブル)とオーディオFSKのケーブル、mogami2803をそれぞれ使ってきましたが、バランス接続のコンポにXLRケーブルで接続して使ってみたいと考えたため、自作してみることにしました。

作る目的と制作概念

 XLR接続の機器があるため、バランス(XLR)ケーブルを自作することにしました。オーディオのライン出力のような割と高い電圧の信号を、せいぜい長くても2m程度のケーブルで機器間を電送するのであればアンバランスで何も問題ないのですが、せっかく機器にバランス入出力があるので作ってみることにしました。

 そもそもバランスケーブルはマイクなどの微弱な電圧の信号を何十メートルにもわたり線を引き延ばし、ノイズに強く正確に電送するためのケーブルなので、通常の家庭用のオーディオには、普通のアンバランスケーブルで十分だと思っています。例えば、パワーアンプをスピーカーの近くに置き、プリアンプとパワーアンプを離して、接続するときになどには、バランスケーブルは有利かと思います。

(2008年09月23日)

部品について

 線材とコネクターは以下のものを使用します。そもそもmogami 2534の線材を選んだのは、mogami 2803を使ってきて、モガミ社のケーブルは品質が高そうであること、そして安いこと。最後にバランス、アンバランスで使えることから選定しました。他にモガミ社からは2497という伝統的なオーディオ用ケーブルもありますが、同軸構造でバランスケーブルが作れないため、今回は外しました。また、カナレ社にも良さそうな製品が合ったのですが、今回モガミに決めました。もがみ2534は通常マイクロフォン用のケーブルとして使われています。

 この2534を使った製品は、インターネットショップなどで安く売っているのですが、コネクターとの半田付けがどのようになされているのか、よく分からないため、自分で作ることにしました。かといって、熟練した方々の半田付けに私が太刀打ちできるのか?といった根本的な問題もあります。無難にアッセンブル製品を買った方が、作業時間の人件費を含めると確実に安くつくと思いますが、自作に走ってしまう性なので・・・。

 XLRコネクターはいろいろな選択肢がありましたが、部品屋さんを見て回り、少々高いもののは定評のあるノイトリック製のものを選択しました。とにかく線材にしても、プラグにしても、極端に高額な製品には全く興味がわきません。(ただし、オーディオFSKの核付きケーブルだけは例外的に興味があります。)

ケーブル:モガミ(Mogami) 2534
XLRプラグ(オス):ノイトリック(NEUTRIK) NC3MXX-HE
XLRプラグ(メス):ノイトリック(NEUTRIK) NC3FXX-HE

モガミ NGLEX Mogami 2534
(モガミ Mogami Neglex 2534)

モガミ NGLEX Mogami 2534
(モガミ Mogami Neglex 2534)

モガミ(Mogami)2534を使ったバランスケーブルの制作

モガミ NGLEX Mogami 2534

 地道な作業ですが、作業自体は簡単です。ケーブルの被膜を芯線を傷つけ無いように丁寧に剥ぎ取り、ハンダ付けしていくだけです。ハンダ付けを行う前に、一応、エタノールでハンダ箇所を脱脂しておきます。

 最近の機器はほとんど2番ホットであり、自分の機器を確認したところ、全て2番ホットだったので、クロスケーブルを作らずに済みました。ホット、コールド、グランドを間違わないように、ハンダ付けするだけです。通常のXLR接続は、1番グランド(Ground)、2番ホット(Hot)、3番コールド(Cold)です。ただしアキュフェーズやラックスマン、アメリカのオーディオメーカーなど、場合によっては3番がホットの場合もあるので注意が必要です。

 あと重要なのは締め付け用のプラグを、あらかじめハンダ付けする前にケーブルに通しておくことです。昔これを忘れて、一度付けたハンダを溶かしてやり直したことがありました。また、LRで間違わないよう、Lはブルー、Rはレッドのスリーブを付けておきました。

モガミ NGLEX Mogami 2534
(モガミMogami 2534)

 外側の皮膜をカッターナイフを使って一周させ、丁寧に切れ込みをいれて剥ぎ取ります。外側のシールドに使われている線はメッキも編組もされていない、キレイな銅線です。この線はグランドに使います。

モガミ NGLEX Mogami 2534

 外側のシールド線を、束ねてまとめます。また、芯線は4本になっていますが、それぞれ、同じように皮膜を剥ぎ、同色をまとめて縒り合わせます。寄り合わせる前にエタノールで脱脂して、さらに紙を使って直接銅線を手で触れないようにして、縒っていきます。

モガミ NGLEX Mogami 2534
(線を撚った状態)

 縒り終わったら、予備ハンダ付けを行います。芯線はともかく、グランド線は長く引き延ばすために、ハンダ付け箇所以外が酸化してしまいます。ハンダは接着箇所だけで、酸化することを諦めるのか、それともハンダメッキしながら、酸化を防止するのかは、判断によります。市販の線を分解するとスリーブが巻かれていたりしますが、相当きつく縒り合わせ、尚かつ熱収縮チューブを使っても、皮膜から剥いだ線の酸化はなかなか防げないと思います。

モガミ NGLEX Mogami 2534
(縒った線をハンダメッキした状態)

 後は、シールド線、芯線をオス、メスのコネクターにそれぞれハンダ付けしていくだけです。ここでも、ハンダ付けする前にプラグのスリーブを、あらかじめ線に通しておくことを忘れないようにします。

モガミ NGLEX Mogami 2534

モガミ NGLEX Mogami 2534

 最後にプラグのスリーブをねじこみます。ノイトリックのプラグは、締め付けてケーブルを固定する方式なので、線を引っ張っても、ハンダ箇所に張力が加わらないのが利点だと思います。オス、メスのプラグを付けて、XLRケーブルの制作はほぼ完了となります。

モガミ NGLEX Mogami 2534

モガミ NGLEX Mogami 2534
(XLRコネクター オス部分)

モガミ NGLEX Mogami 2534
(XLRコネクター メス部分)

 最後に導通を、テスターで確認します。それぞれ1番、2番、3番ときちんと導通と、他の端子と絶縁されているかどうか確認して制作は終了です。

モガミ NGLEX Mogami 2534

 モガミ(Mogami)2534を使ったXLRケーブル(バランスケーブル)が、3組できあがりました。長さは1.5mです。通常のラックに収める場合は1.5mの長さがあればたいていは事足ります。またノイトリックのプラグには、ロジウムメッキなど、さらに高額なプラグもありますが、通常の金メッキのプラグを使っています。しかし、ごく薄い金メッキも、剥げて下地が酸化する可能性を考えると、金メッキではなく通常の一番安い銀メッキプラグの方が良かったのかも知れません。

モガミ NGLEX Mogami 2534

 ホームオーディオ用として使うには、あまり意味が無いように思えるバランスケーブルですが、例えば広いリスニングルームで、フルバランス出力のあるプリアンプとパワーアンプを距離を離して使うとき、手元にプリアンプを遠くのスピーカーそばにパワーアンプを置いて、スピーカーケーブルを極力短く使う場合などは、このXLRケーブルが多少なりとも生きてくると思います。私はそういう恵まれた環境に無いですし、そもそもセパレート型のアンプを持っていないので、あまり意味がないことになります。(笑)

(2008年11月11日)

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