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ジャズ喫茶ロストアンドファウンド1
(Jazz Coffee Lost and Found)


神奈川県川崎市麻生区白山のグリーンタウンにあるジャズ喫茶ロストアンドファウンド、最寄りの新百合ヶ丘駅からは若干遠い、住宅街の中にあるジャズ喫茶ですが、くつろぎながら、いいジャズを聴かせてくれます。ジャズが好きで、多摩の丘陵地と団地の風景に郷愁を覚える私は、通ってしまうのでした。

ジャズ喫茶ロストアンドファウンド(Lost and Found)訪問 1回目

 2007年12月下旬、近くに住む友人と会った帰り、新百合ヶ丘の近くにあるジャズ喫茶ロストアンドファウンド(Lost and Found)へ寄ってみることにしました。いわゆる多摩丘陵地帯の住宅地にあるジャズ喫茶で、どういう音を聴かせてくれるのか非常に楽しみでした。

 ホームページを見ると、バス乗り場から案内まで載っているのですが、私は多摩地域は勝手知ったる土地なので、ホームページの模式地図を覚えて徒歩で行くことにしました。目的地の近くにあるグリーンタウンは、私の知人が住んでいるのです。駅から徒歩20分くらいで目的地へ着きました。私にとってはバスに乗るまでもない距離です。





 ただし、私の歩く速さは時速6kmくらいなので、新百合ヶ丘からの距離は2kmくらいでしょうか。十分徒歩圏内だとおもいます。目的地へ近づくと、大きな団地群が見えて来ます。個人的には、こういう多摩丘陵地帯の団地群にとても郷愁を覚えるのです。今50代からその上の世代が、例えばアニメ映画「となりのトトロ」に出てくるような里山の風景に、郷愁を覚えるように、坂の多いコンクリートの団地で育った私は、こういう風景に、心をなにか動かされてしまうのです。



 その大きな団地群のショッピングモールの一角にジャズ喫茶Lost and Foundはありました。



 お店へ入ると、常連と思しきお客さんが二人居りました。小ぢんまりとした店内ですが、綺麗に片付けられ、雑然とした雰囲気がありません。スピーカーの間の王様席に先客がおりましたので、私はその隣りの席へ座りました。とても座りごこちが良い椅子です。



 一聴した感じは、とても透明な音と感じました。低域から高域までフラットバランスに聴こえます。低域の引きが非常に早く、軽い低音なので、最初はシャカシャカ鳴っているように聴こえたのですが、違うと思い直しました。中高域も非常に素直な音色で何の脚色もないといった音だと感じました。

 とてもバランスがよく、長く聴いていても疲れない音とでもいうのでしょうか。JBLやALTECのビンテージスピーカーを使っている所とは一味違ったHi-Fiな音だと感じました。音量も丁度良く、部屋が飽和しない程度で十分ジャズを楽しめる音量です。ただ生と同じ音量というわけにはいかない様です。

 ツイーターが強すぎることも無く、、低域が過剰に出てくることも無い音で、流れるジャズは都会的です。ちょっと私には時代が進みすぎているので、難しいです。とにかくこのお店の音は、ジャズに大きなクセを求めた音ではないと思いました。

 私はALTECやJBLのクセのある音も大好きですし、生そのものの音量でジャズを楽しませてくれるBASIEも大好きなのですが、、この透明な音を奏でるLost and Foundの音も心地良いものがあります。耳にズギューンと来るような重い高音や、はちきれてしまいそうな密度の高い中域、そして腹に響くような低音はしないのですが、音全体のまとまりが良く、こういう音も大好きです。この団地に住んでいるジャズ狂は、毎日この喫茶店へ通っているのではないでしょうか。

 自分の住む近くにこういうお店があるというのはうらやましいことです。この日は2時間ほどジャズを楽しんで店を出ました。コーヒーに小さなチョコレートがつくのも少し嬉しい気分です。



 帰り、新百合ヶ丘駅前のイルミネーションが綺麗でした。また来ようと思います。



(2008年07月01日)

ジャズ喫茶ロストアンドファウンド(Lost and Found)訪問 2回目

 2008年4月下旬、新百合ヶ丘の近くにあるジャズ喫茶ロストアンドファウンドへ向かいました。駅から出ると良い天気で、青空に並木の緑、つつじの赤が綺麗でした。通りや道行く人も多く、賑わいのある街だと感じました。街に賑わいがある。いまの少子高齢化の時代、地方では、ほとんど人通りのない商店街や道があるなかで、少々うらやましい光景です。


(CONTAX T3)

 駅から15分程歩いて、グリーンタウンの団地内商店街にある、ロストアンドファウンドへ着きました。店内には女性のお客がおり、会話を楽しんでいました。私はアップルジュースを注文しました。会話の邪魔にならないギリギリの音量。そして綺麗なジャズ。これはこれでとても楽しい気分です。荷物を置く箱をさり気なく用意してくれる気配りもありがたい限りです。また、ジャズ喫茶へ女性のお客が居るというのも、めったに出会えない光景です。


(CONTAX T3)

 それ程広くはない店内ですが、天井が高いせいか、音に狭苦しさといったものはありませんでした。私は赤坂工芸音研のレーベルのCDを何枚か持っているのですが、このジャズ喫茶の音はそれに通じるものがあると感じました。鮮度感が高く、非常に明瞭な音。そして木質的な美しい響きを伴う音。

 ただし赤坂工芸音研のCDは、楽器そのものの音の明瞭度を重視するあまり、まるで楽器の中に頭を突っ込んで聴いているような、耳に痛いほどの音がするとも感じています。ここのシステムでは、そこまで踏込んではいないようで、ジャズを落ち着いて楽しめます。


(CONTAX T3)

 座り心地の良い椅子に腰掛け、ジャズのレコードを楽しむ。掛け替えのない楽しい時間です。女性客が出て行くと、音量を少し上げてくださいました。かかるレコードは都会的なシャレたジャズばかりです。泥臭いというか1950〜1960年代のレコードはあまりかけないようです。選曲もその店の信条です。私にとっては初めて出会うレコードばかりで楽しいです。エレキベースやシンセサイザーの織り交ぜられたジャズ。なかなかベイシー通いを続けていては、知ることの出来ないジャズです。

ジャズ喫茶ロストアンドファウンド jazz coffee lost and found
(CONTAX T3)

 集中してレコードを聴いていると、音量が大きくなるように感じます。長く居ても飽きることも、耳が痛くなることもありません。このジャズ喫茶のあるグリーンタウンという団地は、できてから随分と時が経ち、団地の高齢化問題に直面していそうなものですが、団地の間の広場で子供達が遊んでいるところを見ると、世代交代が緩やかに行われているのだろうと思いました。周辺の団地にお住まいの団塊の世代の退職者は、毎日ここへ来てジャズを聴ける訳です。

ジャズ喫茶ロストアンドファウンド jazz coffee lost and found
(CONTAX T3)

 ジャズ好きなオヤジ達はこの団地にはいないのでしょうか。団塊の世代が若かった頃、ジャズ喫茶は雨後のタケノコの如く出現し、繁盛したと聞きます。小さな地方都市でも、何軒もジャズ喫茶が通りに開店していたそうです。そういう時代にまたならないものでしょうか。

(2008年07月01日)

ジャズ喫茶ロストアンドファウンド(Lost and Found)訪問 3回目

 2008年5月上旬、新百合ヶ丘近くのジャズ喫茶ロストアンドファウンドへ行きました。今回で3回目の訪問です。新百合ヶ丘から、お店のある白山のグリーンタウンの団地までの道のりは、すっかり歩き慣れてしまいました。徒歩15分くらいです。私はバスの乗車賃を節約し、健康のため歩きます。昼過ぎにお店の扉を開けると、誰も先客は居ませんでした。なので、私は初めてスピーカーの間の中央の席へ座りました。ピアノの楽しく軽やかなリズムのジャズが流れていました。午後の昼下がりには、似合う曲です。ピアノの音色が綺麗でした。

ジャズ喫茶ロストアンドファウンド jazz coffee lost and found
(CONTAX T3)

 やはり、大きなスピーカーは小さなスピーカーでは出せない低音の安定感があります。私もいつかは、大型のスピーカーを鳴らせる環境が欲しいものです。コーヒーの香りと、良いジャズで少しまどろんでしまいました。木質的な響きを殺していない美しい音のスピーカーですし、外観も非常に調和が取れていると思いました。ジャズ喫茶へ来るたび、いろいろなレコードを聴くたび、考えさせられることがあります。

ジャズ喫茶ロストアンドファウンド jazz coffee lost and found
(CONTAX T3)

 この日は、CHILD OF GEMINI/THE ROLAND HANNA、Freddie Hubbard/Red Clay、Change of Pace/Johnny Griffin、Bonnie Mathaws Trio/Selena's Danceの4枚のレコードを聴いて店をでました。帰り際、店主から、「このジャズ喫茶は、コーヒー一杯で、何時間でも居てもいいですから。」と言われてしまいました。なんと太っ腹な店主なんでしょう。今度来るときは、「帰れ。」と言われるまで、Lost and Foundでジャズを楽しむことにします。(笑)

Lost and Found Jazz Coffee

(2008年07月01日)

ジャズ喫茶ロストアンドファウンド(Lost and Found)訪問 4回目

ジャズ喫茶ロストアンドファウンド Lost and Found
(CONTAX T3)

 2008年9月下旬、久しぶりにロストアンドファウンドへ行きました。先客が二人おりました。Don Freedman VIP Trio / Timeless というレコードがかかっていました。このジャズは最近のレコードで、私もSACDで聴いています。レコードなのにヒスノイズが感じられません。低域も良く出ています。久しぶりに来ましたが、やはり私はこのジャズ喫茶で流れるジャズと音が大好きです。

ジャズ喫茶ロストアンドファウンド Lost and Found
(CONTAX T3)

 この私から見ると複雑極まりない4wayシステムで、よくこれほどバランスの良い音が良く出るものだと、驚かされます。Simple is Bestを信条としている私ですが、こういった複雑なシステムを使いこなすのも面白いだろうな、などと考えてしまいます。店主からアナログの装置の説明をされるのですが、アナログを知らない私には意味が分からず。アナログのターンテーブル、トーンアーム、カートリッジ、針、フォノイコライザーアンプ。オーディオ誌を見ていれば、なんとなく構成は分かるのですが、やはり使ったことがないと、本当に理解はできないです。ところで、私の座った椅子はとても座り心地が良く、リクライニングができ、ふわふわと足が床から離れて、気持ちいいのですが、それに任せていると眠ってしまうという恐るべき椅子です。

 頭の中をカラにして、ジャズを聴いていると、気持ちがイイものです。人間とは凄い生き物だとこの日気づきました。集中とリラックス、相反するような状態ですが、私はこの日これを同時にしてジャズを聴くことができました。ジャズという音楽以外は、何も見えず、何も聴こえず、何も感じず、ただ自分とジャズがあるのでした。この聴き方を私は初めて体験しました。

 そしてふと我に返ると、時間が過ぎていて、この感動をノートに書き留めました。きっとこのお店の音と、レコードに込めたジャズマンと、私の気持ちの波が、ちょうど重なったのだと思います。

 この日は、私が今まで聴いたことがないジャズが次々とかかり、楽しくて仕方がありませんでした。レコードやCDの違いなど、どうでも良いことでした。この日は4時間程ジャズを楽しんだのですが、帰りぎわ店主によると、まだまだこれから音が良くなっていくそうで、閉店までどうぞと言われてしまいました。

 うーん。なかなか「帰れ。」と言われないどころか、閉店まで居てどうぞ、というこのお店。なかなかこういうところはないのではないかと思います。この日は用事があったので、名残惜しくもお店を後にしました。辺りはもう真っ暗です。日も短くなり、風も冷たく秋の気配が漂っていました。

 今度ここへ来たら、閉店まで聴いてみようかしら。

(2008年11月11日)

ジャズ喫茶ロストアンドファウンド(Lost and Found)訪問 5回目

新百合ヶ丘近くの道路から見る富士山の景色
(途中の道からわずかに見える富士山)

 2008年12月下旬、年の暮れロストアンドファウンドへ行きました。久しぶりのロストアンドファウンドで、ジャズ喫茶へ行くこと自体が久しぶりになってしまいました。休日はジャズ喫茶巡りをして満喫、という生活を送りたいのはやまやまなのですが、仕事やその他都合により、最近はあまり行けませんでした。ジャズの音楽を聴くことも久しぶりという状況です。

ジャズ喫茶ロストアンドファウンド
(CONTAX T3)

 扉を開けると、記憶のとおりの店内でした。木質の響き豊かなスピーカーとエンクロージャーがジャズを鳴らしていました。気持ちがいい。ということで、店主が一番音が良いというカウンターの席に座り、しばらく聴いてから前の椅子に座りました。前で聴くのは、近くで音を浴びたいという性(さが)と、自分のオーディオが狭い部屋でスピーカーに近づいて聴いているための癖でもあります。

 レコードやらCDやらたくさん聴かせて頂きました。気持ちが良いとはこのことです。故尾崎豊氏の「15の夜」という唄の歌詞に〜100円玉で買える温もり 熱い缶コーヒー握りしめ〜という一節があります。ここは500円玉で買える温もり、熱いコーヒーとジャズを〜というような感じでしょうか。(今は缶コーヒーも120円出さないと買えなくなりました。)

 今どきパチンコ屋に2時間居たら、一体いくらのお金が吸い込まれていくのでしょう。(私はギャンブルをしません。)カラオケや飲み屋に2時間居たって(私はお酒を飲みません。)、数千円のお金はかかります。ところがジャズ喫茶はコーヒー一杯で2時間くらいは居られるという、なんという有意義かつコストパフォーマンスの高い時間の使い方なのだろうかと、勝手に思っています。感じ方は人それぞれなのでしょうけれど。

 ジャズ喫茶メグのオーナーの寺島先生の、「ジャズ喫茶では1時間居たら、もう一杯コーヒーを追加注文してもらいたい。」というような文章を読んだ覚えがありますが、私は2時間粘らせて頂いて、将来ビッグに成ったときに、貢献しようかと考えています。しかし!年々ビックなるどころかスモールになっているのが現状なわけで・・・。

 スピーカーの横に置いてある大きな木製の箱はスピーカーのネットワークが入っているのだろうか。などと考えたり、低域のこの感触はミッドバスの存在が大きいのではないかと考えたりしながら、時折オーディオマニアの聴き方になりつつ、ジャズを楽しみました。


(2009年03月03日)

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