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ミューズの方舟自作スピーカーコンテスト訪問記

〜自作スピーカーコンテストへの訪問記録(Fostex FW168N使用の規定)〜

ミューズの方舟自作スピーカーコンテスト



 故長岡鉄男先生の流れを組むオーディオサークル「ミューズの方舟」。その自作スピーカーコンテストが行われると聞いたので、行ってみることにしました。今回の自作スピーカーの制作規定はFostex FW168Nとユニットもう1機種ということで、個人的にFostexのユニットには興味があるのでとても楽しみでした。



 場所はJR大井町駅から、徒歩20分程度のところにありました。意外にも(失礼!)会場へ着くと、大勢のオーディオマニアの姿に圧倒されてしまいました。他にも会場を見渡すと、オーディオライターの炭山アキラ先生がいらっしゃり、他にも自作では有名な方が多数見受けられました。



 会場へ着くと、オーディオライター浅生先生の自作スピーカー(Fostex FE88ES-R,FW108N使用)が、設置されておりました。近くへ寄ってみると、表面の仕上げの美しさが分かります。これは私も自作スピーカーを作るときに参考にしなければなりません。

自作スピーカーの作品群

 会場の横には、これから鳴らされる予定のスピーカー群が見えます。どれもそれぞれ個性的な外観で、いやがおうにも期待は高まります。作品群の共通事項として、FW168Nのウーハーに対して、ツイーターには、同じメーカーのFostexのFT48DやFT28Dを使用している作品が多かったことです。



ノンスト

 大きなリボン型ツイーターが目を引きます。高域の質感は申し分なく、低域は量感は薄いですが相当低いところまで出ているように感じました。低域にやや残響感がありますが、とても元気の良い鳴りをしていたと思います。

 

FN-4

 FW168NにFT48Dを組み合わせた、オーソドックスな2wayバスレフ型のスピーカーです。作者の方に伺ったところ、ウーハーに直列に入るコイルの抵抗値が少しでもあると、音が鈍るそうで、抵抗値を下げるため特殊なコアを使っているそうです。

黒鉄

 このスピーカーもFW168NとFT48Dの2wayスピーカーです。リングを付けている分立派に見えます。ツイーターはFoQを通じて固定されています。ネジにも何か粘土のようなものが付けられており、いろいろとノウハウがあるようです。

 

ピカイア

 低域は控えめですが、高域の輝きが素晴らしいと感じました。こういう音を聴くと金属のハードドームツイーターが欲しくなってしまいます。他の多くの作品が多かれ少なかれ共鳴音を出していたのに対し、このスピーカーは共鳴音が非常に聞こえにくく、素晴らしい質感を持っていると感じました。

 

セオリー

 セオリー通りに作ったのでセオリーなのでしょうか。ネットワークもシンプルなものが使われているようで、とても鮮度感の高い音がします。とてもバランスが良いスピーカーだと感じました。

 

BBR2-16-3

 低域の伸び、高域の伸びともに申し分がないと感じました。ユニウェーブの理論によって作られているようで、ツイーターとウーハーのタイムアライメントもしっかりと取られています。アライメントの幅から、ボイスコイルの位置を基準に合わせたのかと思います。

 裏には6dB/octの割にインピーダンス補正やパラレルノッチフィルターが付いているせいで、ずい分と複雑でコストがかかっているネットワーク回路が見えます。これは勉強になります。製作者の方にお話を伺うとユニット以上にネットワークにはコストを掛けないと、いい音にはならないと仰っていました。

 

砂の器

 低域から高域までレンジが広く、ホーンくささは全く感じられませんでした。ウーハー部は通常の立方体と思いきや、内部には並行面を作らず、空いた隙間にはジルコンサンドを流し込んでいるそうです。躍動感があり、定位も決まっていました。「萩」というオーディオマニア用のソフトがかかると、ベースの音が凄まじい感じで迫ってきます。なのにエンクロージャーはびくともしない感じです。

 

黒い瞳

 すべての作品の中でもっとも低域の量感はありましたが、バックロードホーン特有のぼん付きがあるようです。雄大な鳴り方で、FE88ES-Rの使い方には考えさせられるものがありました。

 

その他

 再生装置一式です。毎年アキュフェーズから借りるそうですが、一回もトラブルを起こしたことが無いそうで、とても信頼性があると主催者は強調しておりました。





 点数評です。会場の聴取者全員の投票で各賞が決まりました。

・アイディア賞・ルックス賞:砂の器
・音質賞・総合賞:ピカイア

でした。



 最後に、評論家でスピーカー自作でも有名な浅生先生が、「ツイーターが同じでも音が変わる。」「同じユニットを使っていても音が変わる。」「自作をすればどこかにいるFOSTEXの佐藤さんがよろこぶ。」「今回のコンテストは接戦だと思った。」などと、講評されました。

 今回のコンテストはとても楽しく、そのうちやりたいと考えているスピーカー自作に対して、大変に参考となるものでした。参加者の皆さんの素晴らしい作品に触れ、自作を実行するのが遅い自分を、奮い立たせることができたと思います。

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