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2.スピーカースタンドとオーディオボードの制作


〜Victor SX-500DE用スピーカースタンドとオーディオボードの制作〜

Victor SX-500DE用スピーカースタンドの制作

 Victor SX-500DE(ドルチェ)用にスピーカースタンドを制作してみることにしました。既製品では天板の大きさと高さが規定され、個人の好み通りのものはなかなかありません。またドルチェはチェリーの付き板仕上げが綺麗なのですが、スタンドもその色に合わせたいと思ったのです。そこで、ラックと同じように新木場のもくもくで、フィンランドバーチ合板24mmをカットしてもらい、自分でスタンドを制作してみることにしました。



 接着前に、軽く表面をサンダーがけをおこない、接着面を平滑にしました。ところで、このBLACK & DECKERの作業台は作業がしやすく非常に助かります。ホームセンターでは、もっと安い作業台が売られておりますが、このBLACK & DECKERの作業台の方が、値段は少々高くても、作業性や耐久性は上のような気がします。Amazonの通販で買ったのですが、とても良い買い物をしました。

 制作といってもカットはすでにされているので、スタンドの制作過程は、ほとんど接着していくだけです。接着には、24時間硬化型エポキシ接着剤を使いたいところでしたが、接着面積が大きいということで、普通の木工用ボンドを使うことにしました。なるべく接着面を平滑にし、接着後、強力に圧着すれば、十分な強度が保てると考えました。

 接着の過程で、ボンドがはみ出て、後から塗装がのらないことになると困るので、ボンドがはみ出ても小口から吸い込まれないように、接着する板材の小口はマスキングします。塗った直後にはみ出たボンドは、可能な限り、ぬれ雑巾とシンナーで拭き取ります。

 問題は圧着の方法です。プレス機があれば良いのですが、そのようなモノはDIYでは望むべくもありませので、現実的な範囲内で、最も精度よく圧着できる方法を考えました。その結果が、細長い板とクランプを使った方法です。クランプを強く締め込み、横からはみ出てきたボンドを拭き取れば、後は24時間後の硬化するのを待つだけです。結構気の長くなるような接着作業です。



 

 合板を積層する枚数が多すぎて、接着後はほとんど角材になっています。木工用ボンドは原液のままだと粘性がありすぎ、接着剤の塗り過ぎにもつながりますので、ボンドを水で薄め、刷毛で接着面の両面に塗ってから、接着しています。



 接着した板材にサンダーを掛け、段差などを修正します。精度が出ているとすぐに終わる作業なのですが、この支柱部分の板材は精度がイマイチだったため、サンダー掛けに大分労力を費やしました。

オスモパテ

 何色にするのかはまだ決めていませんが、オスモカラーで仕上げる予定なので、合板に入っている”す”の部分を埋めるパテには専用のオスモパテ(ホワイト)を使います。



 フィンランドバーチ合板の積層部のアップです。所々写真のような”す”が入っています。



 ”す”の部分にオスモパテをすり付けます。乾燥したらヤスリ掛けを行って仕上げます。

ビクター スピーカー スタンド Victor SX-500DE

 接着が完了した板材です。仮組してみました。これからトリマーで角を落としたり、各部材を接合できるように鬼目ナットなどを埋め込む作業を行います。かなりの重さで一本当たり15kg以上はあると思います。剛性も十分で、天板の上に人が乗ってもびくともしないでしょう。地震時にも転倒しないよう、底板の大きさをかなり大きくしました。

 天板・支柱・底板も接着剤で接着すれば強度的に最高なのですが、それだと引っ越しや持ち運びするときに非常にかさばります。なので、分解できるよう各部材はネジ止めできるようにしました。ネジの受けには、ねじ穴が馬鹿にならないように、鬼目ナットを埋め込んでおきます。また、部材の間には薄いコルクシートを挟んで、ネジで締め込みます。

 最後にヤスリで研磨とオスモカラー用パテ埋めを繰り返し、塗装の下地作りを行います。特に小口には十分行います。十分に滑らかになったら、オスモカラーで着色をする予定です。しかし、着色には、スピーカーのカラーと同じチェリー色か、ブラックが良いかで迷っているので、とりあえず無着色で完成とします。塗る色が決まったら着色したいと思います。

スピーカースタンドの裁断図(PDFファイル)

(2007年07月07日)

 いろいろと考えた末、天板、底板、柱とも全ての角を面取りすることにしました。トリマーに面取りビットと付けて、ひたすら削っていくだけです。角はどうしても欠けてきますし、不用意に身体をぶつけると痛いです。

 ”す”の部分にはオスモパテを塗り込んでおきましたが、オスモカラーで塗装する前に、面取りを新たにしたので、面取りで欠けてしまった部分、またネジ止め用の穴開けでバリとなり、バリを取って凹になってしまった部分について、さらに、オスモパテを全体にヘラですり付け、細かい凹を全て埋めて滑らかにします。その後240番のサンダーをかけ、面取りした部分は手作業で丁寧にサンドペーパーをかけておきます。最後は手触りで確かめます。オスモカラーは木に含浸させて着色する塗料なので、あまり細かいペーパーでツルツルにしすぎると、塗料の食いつき染み込みが悪くなるので、240番のペーパーがけで止めておきます。

オスモカラー ウッドワックス チェリー色
(オスモカラー ウッドワックス チェリー色)

 最後にオスモカラーウッドワックスのチェリー色を塗ります。スピーカーのSX-500DEと同じチェリー色か、ブラックか、ホワイトかで延々悩んでいたのですが、結局、無難にスピーカーと同系統のチェリー色を選択しました。ということで、半透明の塗膜なので、積層の小口部分などが見えてしまうこともあり、下地処理を再度念入りにしました。しかし、当初はブラックやホワイトを塗る事を想定していたため、オスモパテには凹の部分だけ埋まれば良いと考えていたのですが、結果的に半透明の塗料を塗ることになり、ホワイトのパテで埋めた部分がやや目立ってしまいました。フィンランドバーチ合板に使うオスモパテは、"ビーチ"か"スプルース"色を選んでおけば、パテ埋め箇所が目立ちにくかったと思います。

Victor SX-500DE スピーカースタンド
(右から、天板、底板、支柱。)
(底板、天板と支柱は9本のM6ネジで結合。スピーカーと天板はM6ネジ4本で結合。)


Victor SX-500DE スピーカースタンド
(支柱の積層部分)

不二塗料株式会社(オスモカラーとエアーブラシの専門店)

 ラックとデスクは白やモノトーンで統一しているので、部屋の中でなんとなく色の調和が取れていない感じです。(6畳1間のタタミの部屋に調和も何もあったものではありませんが)

Victor SX-500DE スピーカースタンド

 完成です。これは材料費と作業にかかった時間の人件費等を考慮すると、確実に上に乗るスピーカーより高額になっています。しかし、スピーカーの足元は、車の足回りやタイヤと同様に重要ですので、スタンドに手を抜くことは出来ません。例えば、F-1に軽自動車のタイヤとサスペンションを取り付けても、まともに走ることは出来ないでしょう。逆に、軽自動車に優秀なサスペンションとタイヤを奢れば、結構走るような気がします。色々なジャズ喫茶を見てまわっても、スピーカーと部屋、装置などは当然ですが、ジャズの魂を聴かせてくれるジャズ喫茶は、どこも足回りに、工夫を凝らしているのが分かります。

Victor SX-500DE スピーカースタンド

 ということで、結果的に超重量級のスタンドができあがってしまいました。Victor SX-500DEの底板にはM6のネジでスタンドと結合できるようになっているのですが、音と地震対策を考え、M6ネジ4本を介して、スタンドの天板とスピーカーの底板を結合しています。

Victor SX-500DE スピーカースタンド

 スタンドの高さはH=70(cm)と、ブックシェルフ用のスタンドとしては高さがありますが、普段聴くデスク用チェアに座った時に、だいたいツイーターが耳の位置にくるようにするため、高くなっています。普通のソファなどに座って聴く場合には、若干高さが高めです。

Victor SX-500DE スピーカースタンド

 今回作ってみて、当初の重量と剛性が大きいスタンドで耐震機能を持つ、という目的は達成しましたが、全体的なバランス、外装、その他、色々と考えるところがでてきました。「過ぎたるは及ばざるが如し。」という言葉がなんとなく頭を去来します。また、作業をしてみて、もう二度と作りたくありませんが、何となくまた作らざるを得なくなるような気がしています。いつか理想の自作スピーカーができあがった時に、再びスタンドの目的とデザインを一から考え直してみたいと思っています。

Victor SX-500DE スピーカースタンド

(2008年07月21日)

 スピーカーの底板とスタンドの天板は、薄いコルクシートを挟んで、ネジで結合させていましたが、foQ(フォック)を手に入れたので、コルクシートに代えてfoQを挟んでみることにしました。箱を鳴らすタイプのスピーカーに、振動を吸収するシートで制震させるのはどうかとも思いました。

 しかし、6畳間の自宅で小音量で鳴らすのなら良いのですが、試聴場の約30畳の空間でそれなりの音量を出すと、どうしても箱の響きが過剰になってくるような気がしたので、実験してみることにしました。しばらくfoQを使ってみようと思います。

(2008年11月11日)

スピーカースタンドの増し締め

 使い続けてきたVICTOR SX-500DE用の自作スピーカースタンドですが、触ってみるとガタが出てくるようになりました。部材が、長年のネジの締め付けによって変形を起こし、ネジが緩まりガタが出たのだと考えられます。さらに、木材は、合板と言えども乾燥収縮するので、その要因もあったと思います。そこで、スタンドを分解し、組み立て直すことにしました。


スタンドを分解します。
緩まりにくいよう、新たにスプリングワッシャーを使います。


支柱と天板、支柱と底板の間には、青色の和紙を挟んでいます。
支柱と天板底板とは、9本のネジで結合させています。


時間を置いてから、スタンドのネジを増し締めします。
一番外側のネジ4本は、スピーカーとスタンドを結合するためのネジです。
黒い部分がFoQ(フォック)の2mm厚シートです。

Victor SX-500DE ビクター
最後に、スタンドの天板とスピーカーをネジで結合します。
がたつきはなくなり、スタンドからスピーカーが転落することもありません。

 高性能制震材foQ(フォック)は、制震材の中に圧電素子をランダムに配置し、振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気エネルギーを熱エネルギーに変換して、振動を効率よく熱に変換するという素材のようです。他の制震材が振動エネルギーを熱エネルギーに変換するのに対して、FoQはまず電気エネルギーに変換するのが特徴でしょう。

 私は振動を抑えたいモノの片面にただ貼り付けるよりも、両面から拘束してやる方が、よりFoQの制震効果を生かせると考えています。なので、スピーカーとスタンドの間にはさみ、ネジで締め付けることによってFoQの両面を圧着しています。

(2010年06月27日)

オーディオラックの制作

 オーディオラックには、今までファンシーのラックを使ってきました。ところが、コンポネントが増えるにつれ、ファンシーのラックでは対応できなくなりました。また、ファンシーのラックに、ぬれた雑巾を置いたままにしたことがあり、そのためカビが生えてしまい、カビを落とそうとヤスリでこすってしまったため、表面に塗られたオイルがはがれ無惨な姿になってしまったので、そろそろ新しいラックを導入したいと考えていました。

 コンポが置けないため、やむなく実家に置いたままのSM-SX1とDX-SX1も近くに置き、TD508などと組み合わせて鳴らしてみたくなったのです。そのためには、部屋が狭いこともあって、ある程度の数をおけるラックが必要なのです。

 加えて、コンポネントも長く使っていこうと思えるものがそろったので、手持ちのコンポのサイズに最適なラックを自作したいと考えました。既製品では、高さが規定されてしまいますし、何より高価すぎます。また、私は明るい色のラックが欲しいのですが、既製品はどれも暗いカラーが多く、個人的趣味に合いません。なので、ラックもフィンランドバーチ合板を使って自作してみることにしました。

 フィンランドバーチ合板を選んだのは、身近に手に入りそうな材料の中で、最も丈夫で価格が安いと考えたからでした。フィンランドバーチ合板は、新木場の木材店「もくもく」で手に入り、カットも行ってくれます。



(2007年05月01日)

 もくもくの担当の方に伺うと、今はスピーカーの板材カットの注文が多く、大変忙しいそうです。フォステクスの限定ユニットFE208ES-Rが発売されたことと関係があるのでしょうか。そして、音響的に良いと言われるアピトン合板も取り寄せで扱っているということで、自作スピーカービルダーには、価格も安く、カットの精度もここ数年でアップしてきたように感じますので、非常に魅力的なお店だと思います。

(2007年05月05日)



 カットした大量の木材が到着しました。何せスピーカースタンドの分と合わせて注文したので、大変な量と重さです。あの鍛え上げられた肉体を持ち、冬でも半袖シャツで、私のような軟弱な人間に、根性というものを見せつけてくれる佐川急便のお兄さんも、さすがに重かったようで、「米(一袋30kg)より重かった」と呟いていかれました。

 精度は出ている部材があったり、あまり出ていない部材があったりとさまざまです。ただやはり東急ハンズ並とはいかないようですが、何とか修正出来る範囲なので良しとします。非常に精度よく切り出された部材もあることから、精度を第一にとお願いすれば、もっと精度良く切り出しをしてくれるのかもしれません。

 ただ、私も工場勤務のとき、散々切断機などを使って材料の加工を行ったことがあるので分かるのですが、精度を出すためには、機械のクセを知ることと、なにより、カットする人の技能によるところが大きいのは言うまでもありません。私は昔、目標の精度を出せず、高価なCFRP板を相当無駄にした覚えがあります。昔の思い出です。

 ラックの制作に関して、いろいろと途中で考えることが出てきてしまいましたので、ラックの制作をしばらくの間、中断したいと思います。その間板材を十分に乾燥させることにします。


(2007年07月07日)

 いろいろと部屋の広さ、機器の数、これからの見通しを考えて、このオーディオラックの制作は中止することにしました。板材をそのままにしておくのはもったいないので、オーディオボードを作りたいと思います。


(2008年11月11日)

オーディオボードの制作

 ということで、長いこと(2年以上もかっ!)乾燥させていたオーディオラックの板材で、オーディオボードを制作しました。2枚の板を木工用ボンドを水で薄めた接着剤を使い、クランプで圧着し、トリマーで角を面取りし、凹凸をオスモパテとサンダーで平らにして、最後にオスモカラーで塗装しただけです。

 今回使った半透明エボニー色のオスモカラーは、説明を見ると1回塗りですが、都合3回重ね塗りをしました。何しろ、塗り重ねるまで、最低12時間以上乾燥させなければなりません。

 結果、フィンランドバーチ合板48mm厚のオーディオボードが4枚できました。重く、硬い響きがします。床の軟弱な畳の部屋で使っています。本来はもっと質量があるコンクリート板などを、オーディオボードとして使おうかと考えたのですが、ホームセンターなどでコンクリート板を見て、外観がまず美しくなかったのでやめました。


(CEC TL51XZ)

 自分で表面の美しい外装と、高強度かつ高弾性係数のコンクリートボードを自作しようかとも考えました。しかし、コンクリート板の体積にコンクリートの密度を掛けると、作ったものが重すぎて、動かすこともままならないのは明白でした。なので今回はフィンランドバーチ合板製のオーディオボードとなりました。

 いつかは、大地からコンクリートから立ち上げたような、オーディオのエネルギー程度では微動だにしない床と部屋が欲しいものです。これがオーディオなど比べものにならない程高いのが一番の問題です。


(VICTOR SX-DW77)

 作ったボードは、サブウーハーやプレーヤー等の下に敷いて使っています。サブウーハーの下に敷くと、途端に音に利いてきました。以前より良くなりましたが、このボードでもサブウーハーの巨大な音響エネルギーを受け止めるには、まだ十分ではないようです。上を見れば切りがないので、このボードとインシュレーターを組み合わせて、上手に使っていきたいと思います。

 いっそのこと、サブウーハーの箱自体をコンクリート製にして、どんな音響エネルギーでも微動だにしないサブウーハーを作りたいと思い始めています。しかし、低音のエネルギーで、板戸や障子などが先に共振してしまうので、こちらを先にどうにかしないとなりません。オーディオは部屋の影響が大きいとつくづく感じます。


(東急ハンズ製黒檀のブロックを組み合わせたインシュレーター)

(2010年08年13日)

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