ホームその1その2その3その4その5
2006東京インターナショナルオーディオショー訪問記その4

〜インターナショナルオーディオショーで見てきたことなどを紹介しています〜

LINN

 LINNのブースです。LINNの製品はどれもコンパクトでデザインが洗練され、とても魅力的な製品ばかりですが、私には高価すぎて全く手がでないのが残念です。特にもう生産が終了してしまいましたが、LINNのCD12はいつかSTAXのイヤースピーカーにつないで、その音楽性を聴いてみたいと思っていますが、実現は出来そうにありません。

 試聴したところ、声楽のCDがかかっておりました。音楽がやや遠めに聴こえます。一聴して、明瞭さに欠ける気がしますが、これは高域の強調感を抑えてフラットなバランスにしているのだと思いました。聴いていて、全く欠点が見当たりません。(フラッグシップ機なのであたりまえですが。)

 オーケストラがかかっても、雄大さ、レンジは申し分なく、エッジが立つような音がしないのが特徴と感じました。どの製品も高価で手がでないのですが、CD専用機のMAGIK CDはデザイン、大きさ、設計概念ともにとても魅力的な製品に思えました。







LINN 菅野沖彦先生 講演

 LINNのブースにて、菅野沖彦先生のご講演が聞けるということで、拝聴しました。菅野先生は、もうかなりのご年齢だと思いましたが、ビシッとスーツを着こなし、とてもかっこよい紳士に見えました。

 また、私個人も、県立図書館で毎号ステレオサウンド誌を拝見しており(ステレオサウンド誌は高くて毎号買えないのです。(涙))、先生の録音評は、いつも大変参考にさせていただいております。クラシックの何たるやなどは、全く分からない未熟者ですが、先生の推薦されたディスクを聴くと、こんな私でも芸術の片鱗をうかがい知ることができ、言葉にできない程の感動を受けることが出来ます。そのため、今回の講演はとても楽しみにしておりました。



先生のおっしゃった言葉をメモに残してきたので、箇条書きで書きますが、先生の意図することと違った表記をしてしまったり、先生のおっしゃりたかったことを正確に書ききれなかった可能性もあるので、その点はご容赦下さい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  <菅野沖彦 先生 ご講演要旨>

   〜菅野先生録音のチェロのアナログディスクの演奏〜

LINNというメーカーはLP12という製品で有名になり、とても姿勢の好ましいメーカーだと思う。

(ほとんどの家電メーカーがそうであるように)数年間だけ製品を造って、終わりというのは、オーディオ製品としては耐えがたいことである。

今現在は、オーディオにとって良い時代ではない。

しかし、今回このショーに参加しているメーカーの多くは、オーディオが好きだから造っている。自分達自身が欲しくなる製品を造っている。オーディオショーの言い出しっぺ、としてはそのことを喜んでいる。

オーディオを守るために、いいモノを造り続けているメーカーを、皆さんに支えていって欲しい。

オーディオ製品といえども社長の道楽のモノばかり造っていたらしょうがない。しかし、高級品を造ったことのないメーカーには期待してもダメ。LINNは、高級品を造って、中級品を造る。最高のモノを造って品質を維持したまま価格を下げてくる。

音楽については、ジャンルを問わず良いものは良い。私は主にクラシックとジャズである。ただしHIP-HOPだけはがまんできない。こういうものを若者が聴いているのが、嘆かわしい。本当に深刻に悩んでいる。このことはオーディオの未来を占うことにつながる。若者には、メロディ、リズム、ハーモニーがそろったものを、最低聴いて欲しい。

   〜ハリー・ベラフォンテのバナナポートソングという古いアナログディスクの演奏〜

彼の声自体が芸術

アナログディスクは非常に趣味的である。近年は利便性ばかり追及して、やることを奪ってしまった。

産業と工芸的に良いところを合わせて、製品を造ろうというのが、昔はあったが、大手電機メーカーの参入によってダメになってしまった。

結果の数字だけをみる企業ばかりになっている。

ダウンロード、ケータイにより、ディスクメディアの価値がなくなってきている悲しむべき状況がある。

音楽を愛する価値観で、オーディオ機器、オーディオを見て欲しい。

だから最近DVDの規格が色々出てきているが、DVDでは(オーディオは)ありえない。アナログディスクは半世紀前のものでもかかる。

人間の声の質ほどすごいものはない。音楽として声の魅力は当たり前ではない。一つとして同じ声はない。声は自己表現として、技術をみがいた結果の違いである。

   〜キャスリン・バトルのCD演奏〜

音楽を聴くと、なんて人間はすばらしいのかと思う。今は人に対する畏敬の念を忘れているのではないか。美しい日本といわれているが、それは甘いのではないか。

年齢的にも周りの社長やどんな人も、たいてい自分より後輩になってしまったので、たよりない。

   〜クリスチャン・ゲルハーエルのCD演奏〜

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 私個人は、菅野先生の言葉の一言一言がとても重みがあり、とても有意義な時間を持つことができたと思っています。おもわず、オーディオショーの帰り際、先生の「新レコード演奏家論」サイン入りの本を購入してしまいました。本当は、先生にお願いしてサインをして欲しかったです。

SONICS

 SONICSというドイツのメーカーのスピーカーだそうです。ツイーターからウーハーまで、それぞれ別のエンクロージャーが与えられており、なんとなく自作スピーカーの雰囲気が漂っています。



 ツイーターはスキャンスピークの最高級リングラジエター付きツイーターで、ミッドレンジはVISATONの高級チタンウーハーが使われています。このVISATONEのチタン製ウーハーは、秋葉原の麻布オーディオでユニットが手に入るので、ぜひ使ってみたいユニットです。


Luxman

 ラックスマンのブースです。80周年記念のパワーアンプとプリアンプでアヴァロンとB&Wを鳴らしていました。国内メーカーの老舗のせいか?とても大盛況でお客さんでブースは一杯でした。



 物量を徹底的に投入し、やりたいことはすべてやり、部品のグレードを徹底的に上げました。というようなアンプとプリアンプです。これだけ大きく値段の高価なアンプで、鳴らせないスピーカーがあったり、音楽的表現ができなかったら、それはうそでしょう。でも私は、こんなにも巨大にしか造れない技術というのは、もう終わりにして、コンパクトで洗練された外観で、これと同様の性能を達成する技術を開発して欲しいと思います。いわゆる、これだけ物量を投入し高価な製品であれば、良くてあたりまえだろうと思ってしまうのです。

 このアメリカ的なマンモスアンプ競争はいつまで続くのでしょうか。




Accuphase

 アキュフェーズも、日本のハイエンドオーディオの老舗メーカーらしく、たくさんのオーディオマニアでにぎわっておりました。巨大なアンプで、Wilson AudioのSystem8とJBLの旗艦スピーカーを鳴らしておりましたが、あまりにお客さんが多く、個人的に巨大なアンプには興味がないため、早々に切り上げてしまいましたが、JBLのフラッグシップモデルのEverestのDD66000は、真剣に聴いておくべきだったと後悔しています。


ホームその1その2その3その4その5