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ハイエンドショートウキョウ2006訪問記その3

〜ハイエンドショーで見てきたことなどを紹介しています〜

村田製作所/muRata

村田製作所です。大メーカーにも関わらず、圧電素子を利用したスーパーツイーターを製品化し、その後、スピーカーも作るようになりました。どれも大変高価で、デザインも日本的で個性的なものばかりです。これは本社が京都にあることと関係があるのでしょうか。

村田製作所/ES301の試聴

 金色のおわん形の圧電セラミックスのユニットが一番上についており、その下に10cmほどの平面振動板をもったウーハーがついています。なんとも、雅なデザインです。広告でもそうですが、これほど旧日本家屋にデザインで合うスピーカーは他にないのではないでしょうか。

 最初にはゴンチチのウクレレが流れ出しました。スピーカー間の距離が離れているためやや散漫な鳴り方です。しかし高域は特に反応が良く、ソフトドームツイーターでは得られない感触が伝わってきます。弦をはじく瞬間まで分かる反応具合です。ただしこのスピーカーは構造上、このような大フロアで音を出すのは苦手のようで、どうしても小音量となってしまうのでした。

 続いて綾戸智絵さんのCDがかかりました。相変わらず、ギターの音色は最高です。スピーカーの感覚が広すぎる関係もあるのでしょうか、中央にきちんとボーカルが定位するというのとはすこし異なる感触です。やや奥から広くボーカルが定位しているように感じました。



 村田製作所の担当者のお話では、圧電セラミックを使ったスピーカーは、反応がよく繊細で、コンデンサースピーカーのような音が得意だそうです。さらに、従来はスーパーツイーターで改善するのは高域だけといわれていましたが、実はそれだけではなく、ちがうところにも特徴が出てくるので、あまりスーパーツイーターという言葉を使いたくないそうです。

村田製作所/ES103


村田製作所/ES105+DYNAUDIO C1.4の試聴

 村田製作所のスーパーツイーターを、通常のブックシェルフ形スピーカーに加えて試聴することもできました。よく、こうしたイベントを国内はもとより海外で行っても、村田のスーパーツイーターはDVD-AUDIOやSACDには効果があっても、普通のCDでは効果がないのではないかと聞かれるそうです。しかし、村田製作所の担当者は、普通のCDでも効果を引き出せると強調しておいででした。

 試聴のCDはおなじみのEAGLES HOTEL CARFONIAのライブ盤です。最初にツイーターなしでの試聴となりました。これでも十分な音質のような記がします。先ほどのスピーカーより、間隔が狭いせいか、声も中央に定位します。再生装置も豪華なせいか、これだけ聞いていても十分よい音のように聴こえます。

 続いて村田のES105を追加して、試聴します。金属の弦の響きやドラムの質感がよりそれらしく、みずみずしくなったような気がします。担当者の方は、音の立ち上がりにはたくさんの情報があり、村田のスーパーツイーターは、それを助ける役目をしているのだそうです。そして、再生音はより滑らかになるとの事でした。



 最後に、ツイーターだけ鳴らしてみましたが、音量を変えなかったせいかほとんどなにも聴こえません。担当者の方が少しボリュームを上げて、ようやく何かシャカシャカかすかになっているのが確認できました。これほどの鳴り方で大きく再生音を変えてしまう村田のスーパーツイーターはやはり凄いと感じました。

再生装置その他

 試聴の後、時間がありましたので村田製作所の担当者の方と話す機会が持てました。私からは、通常のスピーカーの上に乗せるタイプのスーパーツイーターだけでなく、通常のドームツイーターのようにバッフルに取り付けて使えるような、より安価なスーパーツイーターを作って欲しいと、お願いしてしまいました。こうした製品は、フルレンジスピーカーの自作に強い見方になると私は思っているのですが、担当者のかたも、「やっぱりそういう製品が欲しいですか。」とおっしゃっていたので、私のようなマニアのニーズは把握しておられるようです。とても有意義な時間を持つことができました。

 今度はもっと静かな小さな部屋で、この村田のスピーカーを聞いてみたいと思いました。

 

(有)クオンツ/旧臼井鋳鉄工業

 クオンツというブランドです。ダクタイル鋳鉄というモノコックの鋳鉄でエンクロージャーを作っているところに、最大の特徴があります。鋳鉄ほどの高比重で高ヤング率の材料であれば相当共振周波数は、高域の方へいくか、非常に振動しにくくなるはずです。担当者の方は、音の伝わり方が非常に早いということを強調されていました。

 また、クオンツのこれらのスピーカーには、吸音材が一切入っていないそうです。側面を互いに平行にせず、上から見ると台形断面とし、内部に荒い凹凸をつけることによって、内部の定常波を防いでいるそうです。

スピーカーの試聴

 試聴の最初は通常の写真右下のブックシェルフ形のスピーカーからとなりました。ジェニファー・ウォーンズのThe Hunterという定番のソフトがかかりましたが、ドラムからリズムまで、かなりの大音量なのにもかかわらず、全く低域ににじみがありません。ボーカルは中央に綺麗に定位しています。

 続いてダブルウーハーの写真左下のスピーカーの試聴となりました。同じソフトをかけたのですが、やはり低域の余裕が明らかに違って、こちらの方が余裕があります。ただ、聴きすすめていくと、若干高域にライブな特徴があるように思いました。続いてモーツァルトのバイオリンソナタがかかりましたが、バイオリンの弦はやや硬めですが、フォルテピアノの音色は非常に良い感じです。

 さらにナタリーコールのボーカルモノでは、ボーカルでもわずかに余韻をのこすような響きが豊かななりかたでした。またベースは全く滲みがありません。続くジャズのCDでは鉄琴・シンバル・ドラム・ピアノという楽器が使われていましたが、もっとも鉄琴が本物らしく鳴っていたのは印象的でした。

 

 試聴が終わり、係りの方に、ユニットについて伺ったところ、ツイーターはVifa、ウーハーはEATON製のものを使っていることを教えていただきました。ネットワークはシンプルに6dB/octで、ツイーターを逆相接続にしているそうです。自作をしようとする私にとってとても参考となります。

 とにかく、クオンツのスピーカーを聞いて、低域のボンツキや滲み、付帯音が全く感じられなかったのが印象に残りました。やはりこれは、通常の木材等ではなく、エンクロージャーに、ダクタイル鋳鉄という高比重、高ヤング率の材料を使っているからではないかと思います。

 

(平成18年10月10日)

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